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現地講義は大学キャンパスにおける講義と並行して実施されるべきものである。しかし、学生のおかれた環境が大きく異なるので、基本的な内容は同じでも、講義手法に工夫が必要になる。まず、キャンパスの学生より有利な点を活かして、不利な点をカバーしようと考えた。現場で毎日乳牛の飼養管理作 業に携わり、勉学の材料を眼で見て体感していることは圧倒的に有利である。蛋白質、炭水化物などの栄養素についての抽象的な内容も、現地ではもっと具体的な内容として理解してもらえるものと期待した。もう1つ配慮したことは、現地の酪農青年も授業に参加することである。そこで、彼ら、彼女らの日頃の疑問を授業の材料にして、そこに学生の興味を引きつけ、周辺に講義内容を拡大することにより、 学生と酪農青年の両者を満足させようとした。
講義前夜に学生諸君と会食し、それぞれの教室であり、職場である酪農家において、懸命に自己の存在と地歩を固めつつある健気な姿に感動した。その過程でつらいこと、楽しいことなど盛り沢山の経験を重ねたのであろう。久しぶりに会った教員に話すことがありすぎて、話題がとりとめもなく、次から 次へと出てくる。学生諸君の明るい表情をみて、最も心配していたことが解消され、肝心の授業前に肩の荷が下りてしまったように感じた。
授業当日、早朝の作業を終えた学生と酪農青年が机に付き、基礎の基礎についての講義を開始した。 栄養素の基本物質や化学構造の話しと毎日給与している飼料とが具体的に結びつかないようで、一生懸 命に話しをすればするほど空転する。現地の経験は抽象的なことを具体化して理解する一助となるとの期待は甘かった。
2回目の講義は酪農現場で役に立つ情報を中心に講義し、酪農青年の疑問を提示してもらい、現場の話題から乳牛の栄養の基本に戻るような授業を心がけた。学生にも理解できるように、できるだけ噛み砕いたつもりであったが、難しかったかもしれない。それでも懸命に理解しようとしてくれた。
乳牛や飼料を相手にする毎日の体験は疑問を生み、疑問は理解を助け、教室における授業のみよりも数段効果的であったと思いたい。総合的な体験は、1科目の学習のみに止まらず、今後学習する全ての授業に反映されるはずであり、卒業時のトータルな力量を高め、卒業後の酪農業や社会における精神的、経済的生活を豊かにすることは間違いない。ご協力 いただいた方々に感謝するとともに、履修学生の今 後の大いなる発展を心から期待している。 |
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遠隔授業の課題として、給与粗飼料の種類および作 付面積とその利用形態、また、なぜこの地域でそれら の飼料作物および品種が栽培されているのかを与えま したところ、圃場台帳や聞き取り調査を基に、草種お よび品種の特性、さらに地域の気象条件、栽培上の工 夫などから考察した素晴らしいレポートを提出してく れました。後学期「飼料作物学各論」の試験では、そ れぞれの実習で得られた内容を考慮した解答をする学 生が多く、実践酪農学の教育効果が生きているとの印 象を強く持ちました |
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実践酪農学に参加して第一に感じたことは、「自分のやっている教育、研究が本当に農業の現場レベルで発 展できる可能性を持つのか」を自問自答させてくれる良い機会だということです。私達大学教員は、よほど 意識して努めない限りキャンパス内で学生相手に講義をしているだけで、自己満足に陥りやすい傾向にある のが現状です。私達大学教員は、よほど 意識して努めない限りキャンパス内で学生相手に講義をしているだけで、自己満足に陥りやすい傾向にある のが現状です。 |
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現場の情勢を肌身に感じることで、自分の教育研究の内容や態度を自己内省する良い機会です。私の場合は、はなはだカルチャーショックに遭いました。現在もどのような講義をキャンパス内あるい は現場やネット上で展開すべきかについて悩んでおります。
第二に感動したのが、鹿追町、浜中町の関係者の方々が私のように飼料作物学の分野では実績のない人間を、長い目で見て受け入れてくださるということです。特に、酪農学園大学が現場で活躍する OB の方々との強いネットワークを維持していることを再認識させられました。
さらには、当然ながら、現場の酪農の一端を視察見学できる機会であるということです。私の場合は、 鹿追町でのサイレージ用トウモロコシの不耕起栽培や、浜中町の研修牧場など大変参考になりました。
また、現地に派遣され実習している学生さんの頑張りにも感動させられました。酪農家で実習しながら、講義内容をこなすのは決して容易なことではありません。その学生さん各自の個性で委託先の酪農 家にとけ込み、けなげに課題に取り組んでいる姿をみると、「大学に帰った時に周りの学生さん達が良い 意味で感化されてくれれば良いなあ。」とエールを送りたい心境でした。
年齢の割りに、まだまだ未熟な担当者ですが、現場に派遣された学生とともに成長していきたいと思 いますので、今後ともよろしくお願いいたします。 |
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家畜繁殖学実験の集中授業を2年続けて担当しました。授業は、「牛生殖器の解剖」、「人工授精」およ び「牛群の繁殖成績の評価」について行いました。牛の子宮・卵巣、人工授精器具を持参し、少人数で 内容の濃い授業ができました。学内での授業と異なり、ほぼマンツーマンで授業ができるのが実践酪農 学の特徴でもあります。学生は実習の最中であることもあり、現実感をもって授業に臨み、充実した時 間を過ごしたように思います。また、早朝から飼養管理作業に懸命に取り組んでいるためか、睡魔と闘いながら授業を受けている姿は実習と勉学の両立の厳しさを感じさせ、貴重な経験を積んでいることが よく分かりました。酪農の実際を体験的に学ぶことは重要であるとことに間違いありませんが、やや専 門的な理論に関する勉強の時間が不足しているように見受けられました。酪農学科の学生として、実習をとおして実際的な酪農技術とそれを裏付ける理論的な勉強にも一層のチャレンジを期待したいと思います。 |
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2006年から3年間、現地で集中講義を担当しました。 最初の2年間は、学生が滞在する二か所でそれぞれ半日ずつの講義でしたが、本年は学生が一か所に 集まり、二日にわたり実施しました。また本年は、講義の間に現地の酪農家を案内していただき、大変 参考になりました。さらに時間があれば学生の実習先を訪問し、調査あるいは受け入れ酪農家とコミュ ニュケーションができれば双方の理解と交流が深まると思います。 本学の建学の精神の一つに実学があります。実学とは、たんに実際に役立つ学問でなく、実際に生か す学問とされています。大学キャンパスにおける授業と現地における実習を交互に実施することにより、 キャンパスと実際から多くを学び、実際に生かす、本当の実学を実践することが期待されます。 本コースの受講者が実学により、大きく成長することを祈っています。 |
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私は家畜繁殖学実験の集中実験を2007年10月26日と27日の両日、鹿追町および浜中町で実施した。 1年以上も前のことなので正確ではないが、現地での集中実験のテーマとして何を選んだら良いかかな り考え、やはり家畜繁殖学の基本である生殖器解剖を行うことにした。実験材料として雌牛の凍結融解 した生の生殖器2頭分と 40〜50個の卵巣をクーラーボックスに入れ、その他に解剖道具と講義用のノー トパソコンを持って出かけた。これらはかなりの重量であったが、現地の学生にも大学で学んでいる学 生と同じ材料を使った実験を行いたいとの気持ちで、クーラーボックスを引きずるようにして出かけて 行った。鹿追町はノーサイの建物の2階が、浜中町は検査センターの2階が教室としてすでに準備され ており、学生の他に若くたくましい酪農家が数名参加していた。
実験は生殖器の外観を観察し、学生と一緒に切開しながら内部構造の観察を行い、各部の特徴と機能 についてマンツーマンのようにして進めた。卵巣は全て切開して並べ、発情周期に伴う卵胞と黄体の発 育過程が理解しやすいようにした。多くの学生は積極的に参加してくれたが、数人の学生は日常の作業 が厳しいのか、久しぶりに教員と会えたことで安心したのか、一気に疲れが出てきたようで深い眠りに 入っていた。大学から遠く離れ、孤軍奮闘している彼らに「頑張れよ」と心の中で声を掛けずにはいら れなかった。今回の実験で感心したのは、学生と一緒に参加していた若い酪農家の意欲である。学生よ りも盛んに質問し、実験材料をなでまわし、納得するまで徹底して話かけてきたことである。
今回の実習は2日間であったが、授業に参加してくれた若者のような酪農家が熱意ある指導を日常的 に行ってくれるならば、派遣された学生はきっと多くのことを学び、たくましい若者になるだろうと思 いながら帰学した。 |
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家畜管理学の行動学分野として、浜中町および鹿追町で実習をしている学生への講義を行いました。 1日中の講義は当方も初めてのこともあり、もう少し実習風の内容も取り入れればと考えました。教育は学生のみが育つものではなく、教員も育つ、教育を工夫するものだということを実感しています。現場と大学キャンパスのサンドイッチ方式は、学生・教員ともに刺激的です。専門分野の学習のみではな く、学生たちは、他人とのコミュニケーションの方法についても学ぶ良い機会のようです。現場の技能とともに、未熟なコミュニケーション力を向上させるべく指導いただいている実習協力農家の方には、深く感謝申し上げます。「人と動物の関係」に興味のある学生が増えていますが、人と人の関係は、社会で生きていくうえで、日々、必要となる最も重要な技能です。「現場で学ぶ」ということ、「社会で生きる」ということを、大学キャンパスでは、他のコースの学生たちに「あつく」語ってほしいものです。 教員も現場での教育に刺激され、大学キャンパスでは見られない「あつい」姿を見せています。 |
実践酪農学の学生には2年間集中講義を担当しました。講義のねらいとしては、特に以下の3点を目
的にしました。その第一は、単なる技術的な内容のみでなく、放牧利用の実態を含め北海道酪農の総合
的な実態や課題について認識を深めてもらうことです。さらに限られた時間の中で講義できることは限
定されますので、実習農家の家族と酪農経営の話題について少しでもコミュニケーションできるような
内容にすることを第二の目的にしました。これは経営分析事例等の具体的な経営を話題にすることで接
近できると考えており、通常の学内の講義でも心がけていることです。三点目には少人数での講義です
ので、その良さを生かして対話型の講義にすることにも努めました。
学生の中には当日も朝早くからの仕事をこなしており実習の疲れも垣間見られましたが、全体として
は生き生きとしたたくましい姿が見られて、まさしく「実践酪農」の成果が出ているように見受けられ
ました。こういった若い時の現場体験は、大学生活をより豊かなものとし、将来どのような職業に就こ
うとも生かされるものと確信している次第です。今後望みたいのは、このような取組を畜産経営全体に
広げて学生のニーズの幅を広げてほしいことです。 |
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乳牛飼養学の現地集中講義を通して感じたことをいくつか述べたい。1年目は浜中町で、2年目は鹿
追町で講義をおこなった。実習派遣学生ということなので、常日頃やりたいと思っていた講義+現場実
習方式で講義をおこなった。特に初年度は浜中町の研修牧場ということもあり気兼ねなく(?)模擬コ
ンサルテーションをおこなうことができた。こういった授業形態は大学内にいては人数的な制約があっ
て実現困難である。この点では実践酪農学派遣学生への教育効果は高かったと考えられる。ただし、1
泊2日の集中講義では時間的な制約があり、本学受講学生と比べて講義内容が広く浅くになってしまい
がちであった。授業中に提供可能な情報量に圧倒的な差が生じるので、栄養学や生理学といった抽象的
な事象については個々人の自習が必要になってくる。しかし、日々の作業に疲れる毎日にあって、派遣
学生たちにそういったことに時間を割くだけの余力が残されているかは若干疑問が残った。
もう一点、教員の側からこの現地集中講義を振り返ると、強く印象づけられたのが学生・生産者・農
協職員らを交えた夜の交流会である。学生相手の講義とは違った緊張感を持って臨むことができ、また
良い情報交換の場でもあった。さらに近隣の卒業生が集まってくれたりと、同窓会のような雰囲気にも
なり貴重な時間となった。同席した派遣学生にとっても良い刺激となったであろう。
このように、現地集中講義は派遣学生のみならず我々教員にとっても有意義な時間であった。こういっ
た貴重な経験を通して学生がより一層たくましく育つことを願う。 |
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