実践酪農学コースを企画した理由
本学の使命である「有為な人材を農村へ送り出す」ため、本学では長年にわたり、「委託実習」と称して酪農家に住み込んで行う3週間の実習を、必修科目としてカリキュラムの中に入れてきた。これは、現在多くの大学で取り入れようとしている「インターンシップ」にあたるものである。これにより、学生は極めて大きなインパクトを受け、沢山のことを学んできた。数多くの学生が4年間の学生生活の中で最も印象の強かったものとしてこの「委託実習」をあげている。しかし、3週間では酪農家が行う年間を通じての作業や生活を学ぶことは難しく、卒業後に即戦力として酪農を担うまでには至らないという課題も抱えていた。
また、現在、酪農技術は専門化・細分化しており、大学において、例えば受精卵移植や搾乳ロボットなどいわゆる近代的技術を個別に学ぶことは可能であるが、実際に酪農家が行っている業としての総合的・システム的な技術やそれを支える考え方・視点を学ぶことは難しかった。
この総合化された技術およびその視点を学ぶためには、座学だけではなく実際の現場で体を動かしな
がら学ぶ実践の機会を持つこと、しかも、座学と実践が交互にあること(サンドイッチ方式)が更に教
育効果を高めるものと考え、取組を企画した。
取組の目的
図7に示したように、在学4年間の内、トータルで約1年間を酪農家で実践をしながら学び、本学の建学の精神・理念を体得し、即戦力となる人材を4年間で養成することを本取組の目的とする(図8、9)。
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